ECO日記

どんな人が飼育員に向いてる?飼育員の適性を解説!

みなさんこんにちは!元飼育員のふくちゃんです!

 

今日のテーマは、「飼育員の適性」について。

みなさんは、自分が飼育員に向いているか向いていないか、気になったことはありませんか?

 

どんな仕事をするか決める…というのは、人生の中でもかなり大きな決断です。

それならやっぱり、「自分に向いている仕事がしたい!」と思いますよね。

 

ただ、飼育員という仕事は、その中身が特殊なこともあって、適性についての考え方は、実は人によって大きく違うんです。

 

ちなみに、「飼育員 適性」で検索すると、「こんな人が向いてるよ!」という情報がいくつか出てきます。

そこによく登場するのは…

●動物が好きなこと

●忍耐力があること

●好奇心旺盛であること

●体力に自信があること

 

といった項目たち。

 

これが間違っている…とまでは思いませんが、僕は

 

「飼育員になるのに、この適性を気にしすぎる必要はないよ!」

 

と考えています。

 

その根拠は、僕自身。笑

正直なところ、僕は忍耐力がある方ではないですし、体力に自信もありません。

 

(子どものころから「コツコツ続ける」というのが大の苦手でしたし、中学・高校と運動部にも入っていませんでした…!)

 

なので、適性でいうと「飼育員に向いていない」ということになりますよね。

それでも、僕は飼育員として13年間働き続けてきましたし、組織の中でも中心的な仕事を任せてもらっていました。

 

それじゃあ、「飼育員の適性」ってなんなんでしょうか…?

 

 

…結論から言うと、僕は

 

「前向きに成長できる人」

 

が唯一の適性だと思っています。

 

それがなぜかというと、そもそも、飼育員として働くうえで大切なのは

●「どれだけ動物が好きか」ではなく、「動物の暮らしを良くするために工夫する」こと

●「忍耐」ではなく、「動物の毎日は繰り返しではなく、新しい発見があると知る」こと

●「好奇心」ではなく、「必要な知識を学び、技術を身に付ける」こと

●「体力への自身」ではなく、「協力しあってでも、必要な仕事を進める」こと

 

だから。

 

言ってしまえば、「体力に自信はあるけど、仕事はうまく進められない」という人よりも、「体力に自信はないけど、効率を考えたり周囲の力を借りたりして仕事を進められる人」がいてくれた方が、動物園にとっても動物にとってもありがたいわけですね。

 

実際、僕が働いていた動物園にも、「体を使う仕事は苦手だけど、いろいろな分野を勉強するのは好き」という人や「勉強は嫌いだけど、動物のためになる内容なら苦にならない」という人など、いろいろなタイプの飼育員がいました。

 

そもそも、すべてが完璧な人なんていませんし、たくさんのことを最初から上手にこなす必要もありません。出来ないことは学んだり習ったりしたらいいですし、他の人の手を借りたっていいんです。

 

つまり、

 

「『前向きに成長していきたい』と思えるのなら、苦手なことがたくさんあっても、できないことだらけでも、成長していける!」

 

ということ。それに、どうしても苦手なことがあるのなら、得意なことでその分を補えばいいんです。

 

(僕は体を動かすのがあまり得意じゃないので、ゾウのお部屋を掃除する時には「どうしたら疲れずに早くキレイにできるかな…」と考えて、実際にいろいろ工夫していました。)

 

なので、「私は体力に自信がないから出来ない…」とか、「俺は忍耐力がないから無理なのか…」とあきらめる必要は、全くありませんよ!「適性」は、あくまでも参考程度にしましょうね。

 

 

…これが、僕が思う「飼育員の適性」のお話でした。

なにかの参考になれば、とっても嬉しいです!

 

 

 

それでは!

 

 

この記事を書いた人…元飼育員講師ふくちゃん

福岡ECOの卒業生。動物園とサファリパークで13年間、飼育員をしていました。好きな動物はフクロテナガザル。担当していた動物は、ゾウ、チンパンジー、キリン、トラなど。現在は福岡ECOで「陸上動物」「動物園・水族館研究」「アニマルヒストリー」の授業を担当しています。