ECO日記

プロに聞いてみた!④ペットトリマー編part5

みなさんこんにちは!元飼育員の講師ふくちゃんです!

 

「プロに聞いてみた!」シリーズの第四弾「ペットトリマー編」も、今回でpart5を迎えます!

 

お客様とワンちゃんのことを第一に考える河村さんも、過去にはお客様を怒らせてしまったことがあるそうで…

 

気になるお話の続きをご覧ください。

 

・・・

 

―お客様を怒らせてしまった…ですか?

 

河村さん「はい。トリミングが終わりワンちゃんをお返ししたら、『なってほしくないように切られた』と言われてしまったんです。お客様のイメージとトリミング後の仕上がりに、大きな差があったんですね。ショックを受けたんですが、それ以上に『私の失敗だ』と強く感じました。事前にもっと細かい部分まで注文を聞いておくべきだった…とも思いましたし、『このワンちゃんの毛質だとこんな仕上がりになりそうです』とお伝えしておくべきだった…とも思いましたね」

―…そんなことがあったんですね。

 

河村さん「ただ、私はそのお客様に感謝しているんです。この件がきっかけで、自分自身を見つめなおすことができたので。それに、お客様の側からすると、トリマーに直接『思っていたのと違う』みたいな意見は言いづらいと思うんですよね。ただこの仕事は、伝えていただかないと分からない、気づけない部分も多いんです。特に一人でお店をやっていると、誰からも教えてもらえないので…なので、その時のお客様には本当に申し訳ないのと同時に、感謝しているんです」

 

―…その時の経験が、今の河村さんのプロ意識につながっているんですね。河村さんはJKC公認のトリミングA級ライセンス(※)を取得されていますが、もっと技術を磨きたいと考えているみたいですね。

河村さん「そうですね。JKCのコンテストに出たり、トリミング技術のセミナーに出て技術を学んだりしてはいますが、まだまだ自分の技術を磨かないといけないと感じています。コンテストに出ると、審査員さんが厳しい指摘をしてくれるので、それで気づけることもありますし…。実は、トリミング競技会九州ブロックA組で入賞の評価を頂いた時も、私は自分のカットに納得いっていなかったんです。審査員さんからもたくさん指摘されましたし、緊張して短くカットしすぎた部分もあったので、『ああ、ダメだな』と。なので、合格できたのは審査員さんから『まだまだだけど、これからもっともっと頑張りなさいよ』と言われたように感じています」

 

―どこまでも高みを目指しているんですね…その向上心は、どこから来るんでしょうか?

 

河村さん「う~ん…あまり考えたことなかったですね…(笑)。でも、一番はやっぱり『お客様のため』ですかね。ペットトリマーは技術職だし、技術って磨けば磨くほど上達するものだと思っているんです。それと、『今回のカットは前回のカットよりも上達していないとダメだ』と考えているので…でも、義務と言うよりは自分にとってそれが楽しいというか…あまり深く考えたことなかったですね(笑)」

 

・・・

 

と、河村さんの失敗談と、それを糧にする高い向上心に触れることができましたね。

どんなお仕事でも、どんな人でも必ず失敗はしてしまうもの。

「大切なのはその後にどうするかなんだだな…」と強く感じるエピソードでした…!

 

次回はいよいよ最終回!

河村さんに「ペットトリマーになりたい学生さんたちに伝えたいこと」を聞いていますので、楽しみにしていてくださいね!

 

 

※一般社団法人ジャパンケネルクラブによる、ペットトリマーの認定資格。トリミングの技術と経験のレベルによって五段階のライセンスがあり、上から「師範」「教士」「A級」「B級」「C級」。日本国内にはいくつかのライセンス認定機関があるが、その中でもJKCは認知度が高い。2022年時点で日本国内のJKC認定A級ライセンス取得者は1800人ほど。

 

 

この記事を書いた人…元飼育員講師ふくちゃん

福岡ECOの卒業生。動物園とサファリパークで13年間、飼育員をしていました。好きな動物はフクロテナガザル。担当していた動物は、ゾウ、チンパンジー、キリン、トラなど。現在は福岡ECOで動物や動物園についての授業のほか、文章表現についてのゼミを担当しています。