ECO日記

今日はネコの日!世界最大のネコ科動物「トラ」について知ろう!

みなさんこんにちは!元飼育員のふくちゃんです!

 

僕がブログを書いている今日は、2月22日!

「にゃんにゃんにゃん」の語呂合わせで、ネコの日とされていますね。

 

そこで今日は、世界で一番大きなネコ科(ネコの仲間)動物である、トラについてのあれこれを書いていきます!

僕が飼育員をしている時に担当していたトラのエピソードも紹介しますので、ネコやトラが好きな方はぜひ読んでみてくださいね!

●大きなトラと小さなトラ

 

トラは、一年中あたたかい南アジアから極寒のロシアまで、広~い範囲に適応して暮らしている動物です。

 

とは言っても、南アジアとロシアは、環境が全く違いますよね。そのため、あたたかい地域のトラと寒い地域のトラでは、体つきや習性にも大きな違いがあるんです…!

 

そんなわけもあって、トラは生息している地域ごとに「○○トラ」という名前(専門用語で『亜種名』といいます)で呼ばれることがあります。

 

ちなみに、日本の動物園では3種類のトラを見ることができますよ!

 

●アムールトラ…ロシアなどの寒い地域に生息。トラの中で最大で、毛皮の色は薄め。

●ベンガルトラ…インドなどに生息。見た目はアムールトラとスマトラトラの中間くらい。

●スマトラトラ…インドネシアに生息。トラの中では最小で、毛皮の色は濃いめ。

 

…動物は、同じような種類であれば

 

「寒いところで暮らすものほど体が大きい」(=「ベルグマンの法則」と呼ばれる)

「赤道近くに暮らすものほど体色が濃い」(=「グロージャーの法則」と呼ばれる)

 

という進化学上の特徴があります。

 

トラはこの特徴がとても分かりやすい動物なので、動物園でも、看板などでよく紹介されているんです!

 

(一番大きなアムールトラと一番小さなスマトラトラは、体の大きさが倍くらい違うんですよ!)

 

トラを見る機会があったら、「どこの地域のトラかな?」と気にしてみると、新しい発見があるかもしれませんね!

 

 

●絶滅しそう…?

 

知っている人もいるかもしれませんが、トラは絶滅が心配されている動物です。

100年前には10万頭ほどいたとされる野生のトラは、今では4000頭ほどになっていると考えられています。

 

ちなみに、「アモイトラ」「バリトラ」「ジャワトラ」など、すでに絶滅してしまった種類(亜種)も。

その理由の多くは、過度な森林開発による生息域の減少とされています。

 

そのため、トラの生息地では、いろいろな人たちがいろいろな方法で、野生のトラを保全しようと努力しています!

日本に暮らしているとあまり実感は湧かないものですが、少しでもサポートの輪が広がればいいな、と思います…!

 

日本の動物園でも、トラの保全のために解説パネルで現状を紹介したり、募金活動に協力したりしていますので、機会があればぜひ!!

 

●性格はトラそれぞれ!

 

最後は、僕がお世話していたトラについてのエピソードをご紹介します!

 

僕が担当していたトラは、アムールトラのメスでした。

後ろ足で立ち上がると2メートルを超すくらい、とにかく体が大きい種類(亜種)なのですが、性格はとっても甘えん坊の遊び好き!

 

飼育員と遊ぶのが何より大好きで、(もちろん金網やガラス越しに!)追いかけっこをするのがお気に入りでした。

 

時には、運動場から寝室に戻る時間になってもちっとも帰ろうとせず、飼育員を困らせることも…。

そんな時は夕食のお肉を見せてもまったく反応しないのに、しばらく遊んであげると満足して寝室に帰る…というのがお決まりのパターン!

 

何頭ものトラをお世話してきたベテランの先輩も、「普通トラは肉見せたら帰ってくるのに!遊ぶ方が好きなんてわけわからん!」と笑っていました!笑

 

…とまぁ、トラも性格はそれぞれ違うよ!というお話でした!

 

みなさんが少しでも「トラって面白い動物だな!」「絶滅しないようにできることをしよう!」と思ってくれたら、とっても嬉しいです!

 

それでは!

 

 

この記事を書いた人…元飼育員講師ふくちゃん

福岡ECOの卒業生。動物園とサファリパークで13年間、飼育員をしていました。好きな動物はフクロテナガザル。担当していた動物は、ゾウ、チンパンジー、キリン、トラなど。現在は福岡ECOで「陸上動物」「動物園・水族館研究」「アニマルヒストリー」の授業を担当しています