ECO日記

動物園にまつわるギモン!「閉園・閉鎖した動物園の動物たち」はどこに行く…?

みなさんこんにちは!元飼育員の講師ふくちゃんです!

 

今回のブログから、新しいシリーズを始めていきます。

題して、「動物園にまつわるギモンに、元飼育員が答えちゃう!」シリーズ~!

 

普段はなかなか知ることのできない、動物園にまつわるあんなギモンやこんなギモンに、動物園で10年以上働いてきた私ふくちゃんが、ズバッと分かりやすくお答えしていきますよ~!

 

今日のテーマは「『閉園・閉鎖した動物園の動物たち』はどこに行く…?」。

 

それではさっそく、ギモンにお答えしていきましょう…!

 

ギモン①動物園が閉園・閉鎖するのはどんな時?

 

そもそも動物園は、運営の方法によって大きく2つに分けられます。

 

1つは県や市などの地方自治体が運営していたり、所有したりしている「公立・指定管理の動物園」。

自治体の方針などにもよりますが、一般的には公園などの公共施設と同じように、「市民が余暇を楽しむ場所」という役割があるのが特徴です。

運営にあたっては、管轄している地方自治体から運営のための予算が割り当てられることも多く、例えお客さんが少なかったとしても、「採算がとれないから閉鎖しよう」という結論になることはほとんどありません…!

 

2つ目は、企業が所有・運営している「民間の動物園」。

こちらは遊園地などのテーマパークと同じように、「レジャーを楽しみたい人が集まる場所」という立ち位置です。運営している企業は、入園料などの収入で飼育員のお給料や動物のエサ代などをまかなっているので、「採算がとれない」のは大問題。いろいろと工夫をしてもどうしようもない場合などは、やむを得ず「閉園・閉鎖」されるケースもあります。

 

つまり、「民間の企業が運営している動物園が、どうしても採算が取れなくなった場合」には、閉園・閉鎖することもある…ということですね!

 

 

ギモン②閉園・閉鎖した動物園の動物はどこに行く?

 

閉園・閉鎖が決まった動物園は、飼育している動物たちの行き先を探します。

この場合、飼育していた動物の種類や数にもよりますが、他の動物園が受け入れを引き受けることが多く、過去には「閉園する動物園のすべての動物を、隣県にある動物園が受け入れた」ケースもあります。

 

とはいえ、受け入れする動物園側にも

 

「これ以上動物が増えたら、今飼育している動物たちをきちんと飼えなくなっちゃうよ」

「小動物なら受け入れられるけど、大型の動物を受け入れる施設はないよ」

 

といった事情があることも多いので、そうすんなりと決まるわけではありません。

 

特に、

●ゾウやチンパンジーなど、専用の施設がないと飼育できない動物

●トラをはじめとする、群れをつくらず単独生活をおくる動物

●ニホンザルをはじめとする、群れと群れを合流させるのが難しい動物

 

は、受け入れ先を見つけるのに苦労するケースが多く、動物園に代わって「動物移動の仲介業者」が受け入れ先を探す場合もあります。

 

 

…と、ここまで「閉園・閉鎖した動物園の動物はどこに行く…?」というギモンにお答えしてきました!

 

どんな事情があるにせよ、動物たちが安心して暮らしていけるように、私たち人間側が協力し合いながら取り組まないといけませんね…!

 

それでは、今日はこのあたりで!

 

この記事を書いた人…元飼育員講師ふくちゃん

福岡ECOの卒業生。動物園とサファリパークで13年間、飼育員をしていました。好きな動物はフクロテナガザル。担当していた動物は、ゾウ、チンパンジー、キリン、トラなど。現在は福岡ECOで動物や動物園についての授業を担当しています。