みなさんこんにちは!元飼育員の講師ふくちゃんです!
今日のブログは「動物園にまつわるギモンに、元飼育員が答えちゃう!」シリーズ。
今回は、動物についてのニュースで目にすることがある「動物愛護管理法」という法律について、動物園との関りを紹介していきます。
なるべく正確な解説のために条文も引用しますが、難しい部分はしっかりとかみ砕き、できるだけ短くシンプルにしていきますね…!
さて、みなさんは「動物愛護管理法」という法律を知っていますか?
「詳しくは知らないけど、聞いたことはある気がする…」という人も多いかもしれませんね。
この法律をよく耳にするのは、野良猫を虐待したり、ペットを狭い部屋の中で無理にたくさん飼ったりといった、動物を大切にしなかったことによる「動物愛護管理法違反」のニュースだと思います。
ただ、今日のテーマを「動物園と動物愛護管理法」としている通り、実は動物園と動物愛護管理法には、切っても切れない深いつながりがあります。
そこで今日は、
「動物愛護管理法って、ペットのための法律じゃないの?」
「動物園と動物愛護って、何か関係あるの?」
といったギモンに答えながら、
「動物園が動物愛護管理法に違反するケースってあるの?」
というギモンまで、あまり知られていない部分をたくさん解説していきますよ~!
ギモン①「動物愛護管理法」ってなに?
そもそも「動物愛護管理法」は、正式には「動物の愛護及び管理に関する法律」と言います。昔はこの「管理」の部分が含まれず、単に「動物愛護法」と呼ばれていましたね。
この動物愛護管理法の目的は、条文にこう書かれています。
この法律は、動物の虐待及び遺棄の防止、動物の適正な取扱いその他動物の健康及び安全の保持等の動物の愛護に関する事項を定めて国民の間に動物を愛護する気風を招来し、生命尊重、友愛及び平和の情操の涵かん養に資するとともに、動物の管理に関する事項を定めて動物による人の生命、身体及び財産に対する侵害並びに生活環境の保全上の支障を防止し、もつて人と動物の共生する社会の実現を図ることを目的とする。
…うーん、堅苦しい!笑
難しい言葉が並んでいるので、とーってもシンプルに説明すると、
「動物は最後までなるべく健康にきちんと飼って、人や物に危害を加えないようにきちんと管理しようね。そのためのルールを作るよ」
というのが、動物愛護管理法の目的です!
ちなみに、法律の内容を少しだけ詳しく見てみると、
「動物はちゃんと飼育しようね」
「みんなで動物を大切にする雰囲気をつくろうね」
という「動物の愛護」についてのルールと、
「動物が人とか物を傷つけないようにしようね」
「人と動物が一緒に暮らせる社会にしようね」
という「動物の管理」についてのルールが組み合わさってできているのが分かります。
さて、そんな動物愛護管理法と動物園には、どんな関係があるのでしょうか…?
…と、長くなりそうなので、今日はこのあたりで!
次回は「動物園と動物愛護管理法の関係」について、解説していきますよ~
それでは!
この記事を書いた人…元飼育員講師ふくちゃん
福岡ECOの卒業生。動物園とサファリパークで13年間、飼育員をしていました。好きな動物はフクロテナガザル。担当していた動物は、ゾウ、チンパンジー、キリン、トラなど。現在は福岡ECOで動物や動物園についての授業を担当しています。