みなさんこんにちは!元飼育員のふくちゃんです!
前回に引きつづき、「動物園の人気者はお家で飼える?カワウソ編」の後編をお送りしますよ~!
今回は「どんなことに気を付けて飼えばいい?」というところを解説していきますね!
そもそもカワウソは、イヌやネコなどのように「人間のそばで何千年も暮らしてきた動物」ではありません。そのため、「こう飼ったらいいよ!」「エサはこれをあげればいいよ!」という情報がとても少なく、お家で飼うのであれば
「野生のカワウソがどんな暮らしをしているか」
をしっかりと勉強し、その暮らしをなるべく再現してあげないといけません。ここでは、特に気を付けたいポイントを3つご紹介します!
どんなことに気を付ける?① エサはなにをあげる?
カワウソには、ドッグフードやハムスターフードなどのような「これさえあげておけば大体OK!」というエサがありません。日本の動物園では、
・キャットフードorフェレットフード
・鶏肉(ムネ肉orささみ)
・アジ、きびなごなどの魚
・少量の野菜や果物
を組み合わせてあたえているところが多いですね!
ちなみに、カワウソは「尿路結石」や「膀胱結石」という病気にかかりやすいので、キャットフードは「尿路結石予防タイプ」のものを選ぶことが多いですね。
また、鶏肉や魚は加熱せず生の状態であたえるのが基本ですが、魚は体内に寄生虫がいることがあります。そのため、一度冷凍したあとで解凍してあたえたほうが良いでしょう。
どんなことに気をつける?② 水浴びできる場所をつくる
カワウソは水辺で暮らしている動物なので、飼育スペースには水浴びができるプールをつくってあげないといけません。
水浴びができないと、運動不足でストレスが溜まったり、からだに汚れが溜まったりしてしまいますからね!
プールを置くということは、その周りはいつもビショビショに濡れてしまうもの。室内で飼うのなら、水がこぼれても大丈夫で、定期的に床を水洗いできるようなつくりの部屋を準備した方がよさそうですね…!
また、プールの水は冷たすぎても熱すぎてもNGで、25℃くらいが適温です。
プールの水はすぐに汚れるので、一日に一回か二回は水を換えてあげましょう!
どんなことに気をつける?③ 病気になったら…?
結論から言うと、一般的な動物病院に「カワウソの治療をしっかりできる獣医さん」はほとんど存在しません。
その理由は、「カワウソを診察したことがある獣医さんがほとんどいない」から。
場合によっては、「ウチではカワウソの治療は難しいですね…」と言われてしまうケースもあるでしょう。
「珍しいペット」をお家に迎えるのであれば、「その子を診察してくれる動物病院」が近くにあるかどうかを調べておかないといけませんね…!
…さて、ここまで前編と後編にわたって、「カワウソはペットで飼える?」というテーマでブログを書いてきましたが、僕の個人的なまとめとしては…
「動物園と同じくらいの施設、飼育員と同じくらいの知識がないと、飼うのは大変だよ!」
と言ったところでしょうか。
どれだけ魅力的な動物でも、「この子は幸せに暮らせるかな?」というところを大切に考えていきたいですね…!
それでは、今回はこのあたりで!
この記事を書いた人…元飼育員講師ふくちゃん
福岡ECOの卒業生。動物園とサファリパークで13年間、飼育員をしていました。好きな動物はフクロテナガザル。担当していた動物は、ゾウ、チンパンジー、キリン、トラなど。現在は福岡ECOで「陸上動物」「動物園・水族館研究」「アニマルヒストリー」の授業を担当しています。