みなさんこんにちは!元飼育員の講師ふくちゃんです!
「プロに聞いてみた!」シリーズの第二弾、「動物看護師」の渡邊先生へのインタビューの続きをお送りします!
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―「看護師長」というポジションのお仕事について教えてください。
渡邊先生「『看護師長』はPAL動物病院グループ内の役職名で、言ってしまえば管理職ですね。動物と接することももちろんありますが、スタッフに関わる仕事の方が多いかもしれません。グループ内にある3つの病院それぞれに、1人ずつ看護師長がいる…という感じです」
―なるほど、その病院の動物看護師さんを束ねるリーダー…ということですね!「管理職」ということは、動物看護師さんを指導する立場ということですか?
渡邊先生「はい。動物看護師もですが、獣医師の指導をすることもあります。PAL動物病院グループは『獣医師も動物看護師も専門分野が違うだけで、立場は平等。肩を並べていこう』という考え方がベースにあるので」
―素晴らしい考え方ですね!それでは、一般的な動物看護師さんのお仕事について教えてください。
渡邊先生「基本的な一日の流れで言うと、朝は開院の準備ですね。入院している動物もいるので、まずは体調をしっかりと観察して、必要な情報を獣医師に報告します。それと、動物病院内の衛生を保つことが基本なので、入院室などの清掃はしっかり。そして開院時間になると動物と飼い主さんがやって来るので、獣医師とともに治療にあたります。その時にとても大切なのが『保定』という技術です」
―治療の時に、動物が動かないように抱きかかえたり、体で押さえたりする技術のことですね。動物園でも「保定」は必要なので、大切さと難しさはよく分かります…。
渡邊先生「そうですね。治療中に動物が動いたり、暴れたりしてしまうと、その動物にとっても危険なので、しっかりと動きを止めておく必要があります。もちろん、獣医師や動物看護師にもケガがあってはいけないので」
―…動物にじっとしていてもらうのって、とても難しいですよね。
渡邊先生「そうなんです。ただ、一般の人からすると、力ずくで動物を押さえつけているように見えるかもしれませんが、実は全くそうじゃないんですよ。動物の種類や体格、性格によっても違いますが、『この部分をこう押さえておけば、無理な力をかける必要がない』というポイントがあるので」
―とても高度なテクニックですね…!
渡邊先生「…治療に来ている動物は、ただでさえ体調が悪くて、しかも慣れない場所に連れてこられているんです。そのうえ見知らぬ人間に力任せに押さえつけられたら、その怖さやストレスで、治療が辛いものになってしまうだろうな、と思っています。人間でも、恐怖で体が強張っている時は、少しの刺激にも敏感になりますよね。なので、『保定』の仕方ひとつで、動物が感じる注射の痛みも変わってくると考えています」
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と、今回はここまで!
「保定」という技術ひとつをとっても、渡邊先生のプロ意識の高さが伝わってきますね…!
次回は、動物看護師さんのお仕事の中身を、もっと掘り下げていきます!
キーワードは、「動物看護師は架け橋である」…!
それでは、次回をお楽しみに!
この記事を書いた人…元飼育員講師ふくちゃん
福岡ECOの卒業生。動物園とサファリパークで13年間、飼育員をしていました。好きな動物はフクロテナガザル。担当していた動物は、ゾウ、チンパンジー、キリン、トラなど。現在は福岡ECOで動物や動物園についての授業のほか、文章表現についてのゼミを担当しています。