みなさんこんにちは!元飼育員の講師ふくちゃんです!
今日のブログは、飼育員を目指す学生たちに密着する、「飼育員の卵たち」シリーズ。
学生たちが実際に受けている授業の中身を、ちょっとだけ公開しちゃいますよ~!
今回ご紹介するのは、「動物園飼育論Ⅱ」という授業。
動物園・動物飼育専攻の2年生が対象で、「飼育員として活躍するために必要な知識を、自分で説明できるようになる」ことを目的にしています。
動物や動物園についての基礎知識は、1年次の「動物園飼育論Ⅰ」などで一通り学んでいるので、2年生では
「動物園では実際にこんな取り組みをするよ!」
「学校で学んだ知識は、こんな風に使うよ!」
というように、「実例」をたくさん出して授業を進めていきます。
ちなみに、先日の授業でとりあげたテーマは「人工哺育」。
いろいろな事情で母親が育てきれない動物の赤ちゃんを、飼育員がミルクなどをあげて育てる取り組みのことを言います。
僕の経験談を中心に、
「そもそもどうして人工哺育をするの?」
「気をつけることは?」
「実は人工哺育には問題点もあるよ…」
などなど、かなり具体的な話をしました。
実際に人工哺育をしている場面の写真や映像を見ながらの授業に、学生たちは興味津々!
やっぱり、自分が好きなことを勉強するのって楽しいんですよね~…!
そして、授業の最後には「あなたは人工哺育に賛成?反対?」というテーマについて考えてもらいました。
詳しく掘り下げて学ばないとピンとこないと思いますが、実はいろいろな問題点(気をつけないといけないこと)もあるのが「人工哺育」という技術。
また、飼育員として活躍するためには、自分の考えを言葉で表現できるようになるのもとっても大切です。なので、思い切ってちょっと難しめのテーマに取り組んでもらいました。
「簡単には決断できないけど、やっぱり目の前の小さな命を救える技術があるなら、救いたいと思うので賛成です」
「人工哺育で育った動物は、子どもを産んでも子育てができないこともある。それを思うと、安易に人工哺育をするべきではないと思うから、反対です」
など、賛成の学生も反対の学生も、それぞれの視点から「動物のため」を思った意見をしっかりと聞かせてくれました。
(どの意見も素晴らしく、堂々と発表する姿には、心の底から感心してしまいました…!)
普段の生活では「命」について考える機会は多くありませんが、飼育員は常に「命」と向き合う仕事です。
難しいテーマだからこそ、学生のうちに一度は考えておいて欲しいな…という思いで取り上げましたが、僕の想像を超えるくらい、学生たちの成長を実感した授業となりました…!
それでは、今日はこのあたりで!
この記事を書いた人…元飼育員講師ふくちゃん
福岡ECOの卒業生。動物園とサファリパークで13年間、飼育員をしていました。好きな動物はフクロテナガザル。担当していた動物は、ゾウ、チンパンジー、キリン、トラなど。現在は福岡ECOで動物や動物園についての授業のほか、文章表現についてのゼミを担当しています。