みなさんこんにちは!元飼育員のふくちゃんです!
「飼育員って、どんな知識が必要なんだろう…」
「飼育員になる前に、勉強しておいたほうがいい事ってあるのかな…」
そう思ったこと、ありませんか?
もしも将来、飼育員になるのであれば、今のうちから知っておきたい…と考える人もいるかもしれませんね。
そこで今回は、元飼育員の僕が「これ知っとくと(やっておくと)いいよ!」と思う知識をご紹介していきます!
かなり意外なことだと思うので、ぜひ最後まで読んでくださいね~!
これ知っとくといいよ!part①「ペットや家畜のコト」
さっそく「動物園にいない動物」の話題!笑
「ペットとか家畜がどう関係あるの?」と思う人も多いかもしれませんが、実はこれがとっても大切。
そもそも、世界中にはたくさんの動物がいます。
これを「人間との関係」という視点でざっくりグループ分けすると、
- 野生動物
- 家畜動物
- 愛玩動物(ペット)
- 動物園動物
- 実験動物
という5つに分けられます。
当然なのですが、全ての動物はもともと「野生動物」でした。
この野生動物のうち、人間の役にたってくれる動物を家畜化(飼いならして管理しやすくしていくこと)したのが「家畜動物」。代表格はウシやブタ、ニワトリなどですね。
「愛玩動物」は、人間のパートナーとして、そばにいてくれる動物たちのことです。いわゆるペットですね。
イヌやネコのように、野生動物を「家畜化」してペットにしているものもいれば、インコやトカゲなどのように、野生と変わらない姿で人間が飼っているものもいます。
(なんとなく知っている人もいるかもしれませんが、イヌはタイリクオオカミ、ネコはリビアヤマネコという野生動物を家畜化したものです!)
「動物園動物」という言葉を聞いたことがある人は、少ないかもしれません。
基本的には、「動物園で飼育されている、家畜でも愛玩動物でもない動物」のことを言います。つまり、ライオン、ゾウ、キリン、チンパンジーなど、いわゆる「動物園に行かないと見られない動物」たちのことですね!
…さて、長い(けど大切な)前置きは終わりにして、どうして「ペットや家畜のこと」を知っておくといいのか、を説明していきます!
結論からいうと、「動物園動物の飼い方は家畜の飼い方を応用しているから」です!
ここで、人間と動物の関わりの歴史をかんたんに見ていくと…
紀元前1万~10万年前くらい イヌ(タイリクオオカミ)家畜化
〃 1万年前くらい ヤギ・ヒツジ(アジアムフロン)家畜化
〃 9000年前くらい ブタ(イノシシ)家畜化
〃 8000年前くらい ウシ(オーロックス)家畜化
〃 6000年前くらい ニワトリ(セキショクヤケイ)家畜化
〃 3000年前くらい ネコ(リビアヤマネコ)家畜化
〃 3000年前くらい ウマ(ターパン)家畜化
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15世紀ごろ ヨーロッパに動物園の原型「メナジェリー」ができる
…こうして見ると、人間は動物園で動物を飼うよりもず~っと昔から、たくさんの家畜を飼ってきたことが分かります。
これは言い換えると、「家畜は、どうやって飼えばいいかばっちり分かってる!」ということ。
そんな理由もあって、実は動物園にいる動物たちは、その多くが家畜の飼い方を参考にして飼育されているんです。
例えば、オオカミはイヌ、ライオンはネコ、キリンはウシ、シマウマはウマの飼い方を参考にしながら、それぞれの動物に最適な飼い方を目指してきました。
(ちなみに、キリンなどの草食動物が食べる「牧草」や「干し草」は、もともとウシやウマ用に作られているものを購入してあげることがほとんど!)
応用編としては、ゾウはウマとお腹の中のつくりが似ているので、ウマのエサを参考にすることもあるんですよ~!
…というわけで、「ペットや家畜のコト」を学ぶのは、「動物園動物の基礎を学ぶこと」でもあるんです!
しかも、「ライオンの飼い方」なんて本はありませんが、「ネコの飼い方」の本はたくさんありますよね。
ただ、いきなり難しい内容を学ぶ必要はないので、自分の興味のある動物や分野について、少し調べてみてはいかがでしょうか!
ポイントは、「野生ではどうなのかな…」と考えてみること!ぜひ、楽しく学んでみてくださいね~!
さて、今回はここまで。
次回はpart②として、「絵や字、ものづくり(DIY)のコト」をご紹介します!
えっ…それと飼育員に、何の関係が…???
と思った人は、次回をお楽しみに!
それでは!
この記事を書いた人…元飼育員講師ふくちゃん
福岡ECOの卒業生。動物園とサファリパークで13年間、飼育員をしていました。好きな動物はフクロテナガザル。担当していた動物は、ゾウ、チンパンジー、キリン、トラなど。現在は福岡ECOで「陸上動物」「動物園・水族館研究」「アニマルヒストリー」の授業を担当しています。