ECO日記

飼育員の1日を紹介!どんな仕事をしている?①動物園編

みなさんこんにちは!元飼育員の講師ふくちゃんです!

 

今回のブログテーマは、「動物園の飼育員がどんな仕事をしているか」です。

 

飼育員って、実はいろいろな仕事をしているんですが、一般的には「動物のお世話以外、どんなことをしてるのか分からない」という人が多いですよね。

そこで、動物園編、サファリパーク編の二本立てで「こんなこともしてるんだよ~!」という部分を、1日の流れにそってご紹介していきます!

 

それではさっそく、僕が動物園で飼育員をしていた時のある1日の仕事内容を見ていきましょう!ちなみに、この時の僕の担当動物は、ゾウ、トラ、ライオン、チンパンジーです。



8:15 出勤、着替え、動物の見回り

出勤して制服に着替えたら、最初にするのが動物の見回りです。

 

チンパンジーが夜のうちにケガをしていないか…

(群れで暮らしていると、どうしてもたまにケンカする)

 

ライオンはエサのお肉を完食しているか…

(動物によって違いますが、ライオンは毎日キレイに完食するのが普通)

 

ゾウのウンチは柔らかくないか…

(体調を崩すと、すぐにウンチが柔らかくなるゾウもいる)

 

など、いつもと違う様子がないかをしっかりと観察します。

何か異常があれば、すぐにベテラン飼育員や獣医師に相談!

 

 8:45 朝礼

飼育員と獣医師が集まって、朝礼をします。

ここでは「キリンの担当者に新聞の取材があります」「今日は団体のお客さんが多いです」といった連絡があるほか、「タヌキが体調を崩しているので、11時から治療をします」「ヤギの運動場の柵を修理するので、13時に3人集まってください」などの打ち合わせもします。

 

それを聞きながら、それぞれの飼育員が「それじゃあ今日は朝のうちにシマウマとキリンの部屋の掃除を終わらせて、昼からは柵の修理の手伝い…それが終わったらミーアキャットのエサを準備して…。」などと、自分の予定を組んでいきます。

 

ちょっと意外かもしれませんが、飼育員の仕事は、毎日同じことを繰り返すわけではありません。ある程度の仕事の流れは、自分で決めるんですよ!

 

 8:50 動物の放飼

動物たちを寝室から外の運動場に出すことを、「放飼(ほうし)」と言います。危険な動物は、必ず複数名で一緒に作業をします。

 

まずはライオンとトラを放飼…

(エサは夕食だけなので、運動場の安全チェックをしたら放飼)

 

次にチンパンジーを放飼…

(安全チェックの後、野菜や果物を運動場のいろいろなところに隠してから放飼)

 

それからゾウを放飼…

(安全チェックの後、ゾウを連れて一緒に運動場に出る)

 

 9:30 寝室の掃除

動物たちが運動場に出たら、手分けして寝室を掃除します。

動物のウンチの状態を詳しく観察!寝室内に異常がないかも確認!

 

11:30 動物のガイド

土日を中心に、動物のガイドをします。この日は、ゾウのキバや歯、写真などの解説グッズとマイクを持ってゾウの運動場前へ。

お客さんの反応がいいと、ついつい調子に乗って喋りすぎちゃうことも…

(ちなみに僕は、15分の予定のガイドなのに楽しくなりすぎて、1時間以上喋ってたことがあります…)

 

12:00 昼休憩

飼育員は体力を使う仕事なので、しっかりと休息!

 

 13:00 動物の入れ替え

チンパンジーとゾウは、午前中と午後で運動場に出ている動物を交代させていました。

運動場に出ている個体を寝室に戻して、寝室にいた個体を運動場に放飼します。

このタイミングで昼のエサを与えます。

 

 14:00 フリー時間

チンパンジーにやる木の枝を採りに行こう…

ゾウにやる笹と草を刈りに行こう…

イベントが近いから会議をしよう…

健康チェックの日誌をパソコンでまとめよう…

 

など、その時によっていろいろなお仕事をします。

「この時間はどうしても眠たくなるから、絶対外で体を動かす作業をする!」というこだわり(?)がある飼育員も。

 

16:00 動物の収容準備

動物を寝室に戻すことを「収容」といいます。寝室の中にエサを準備したり、水入れに給水したりと、動物が「部屋に帰ったらいいことがある」と思えるように寝室を整えます。

このぐらいの時間になると、動物によっては「部屋の中から美味しそうな匂いがする…」と気付き、寝室に帰る扉の前でソワソワすることも…。

 

 16:30 動物の収容

少しずつ動物を寝室に戻していきます。

 

運動場でケガしてないかな…

すぐにエサを食べ始めるかな…

 

など、ここでも動物をしっかり観察!異常がなければ、ホッとします。

 

 17:30 終礼、帰宅

全ての作業が終わると、その日1日のことを日誌に記入して、帰宅します。

必要があれば、残業で作業をすることもあります

 

・・・

 

と、動物園での飼育員の仕事を、1日の流れにそってかんたんにご紹介しました。

次回は、動物園とはちょっと違う、「サファリパークの飼育員」のお仕事についての話です!

それでは!

 

 

この記事を書いた人…元飼育員講師ふくちゃん

福岡ECOの卒業生。動物園とサファリパークで13年間、飼育員をしていました。好きな動物はフクロテナガザル。担当していた動物は、ゾウ、チンパンジー、キリン、トラなど。現在は福岡ECOで「陸上動物」「動物園・水族館研究」「アニマルヒストリー」の授業を担当しています。