みなさんこんにちは!元飼育員の講師ふくちゃんです!
前回のブログでは、「飼育員になるためには資格が必要なの?」「動物園のアルバイトから飼育員になれるって本当?」という2つのテーマについて解説しました。
今日はその続きとして、「飼育員になるためには学校に通った方がいいの?」
というテーマについて、じっくりと解説していきます!
(ちなみに、ここでいう「学校」とは、専門学校や大学などのうち、生物や動物、動物園について専門的に学べる学校のことです。)
3.飼育員になるためには学校に通った方がいいの?
結論からいうと、必ずしも
学校に通う必要はありません。ただし、学校に通っていた方が、視野や選択肢は確実に広がります。
特に、
「どうやって飼育員になったらいいかよく分からない」
「動物園業界のことはよく分からない」
「自分に合った動物園で飼育員になりたい」
という方は、動物や動物園について学べる学校に通うことも考えていいと思います。
どういうことかというと、ポイントは3つ。
1つめは「学校に通うと、受験できる動物園が増える」こと。
前回のブログでも少し触れましたが、「動物について学ぶ専門学校や大学など」を卒業していないと、そもそも飼育員採用試験を受けられないという動物園もあります。
学歴は関係なく、とにかく一生懸命働いてくれる人がいい!
動物についての基本的な知識を持っている人がいい!
動物の世話だけでなく、高度な研究活動もできる人がいい!
など、その動物園がどんな人材を求めているかによって変わるので、絶対に学校に通った方がいいよ!とは言えませんが、僕個人としては、選択肢が増えるのは良いことだと思います。
2つめは「学校に通うと、求人情報が手に入りやすい」こと。
飼育員は採用される人数が少ないので、動物園によっては、数年に一度しか求人がない…というケースも珍しくありません。しかも、多くの場合求人情報は園のホームページにちょこんと掲載されるくらいで、気付いた時にはもう募集を締め切っていた!なんてことも…。
その点、動物園業界とつながりのある学校には、動物園から直接求人情報が送られるので、貴重な情報を見逃しにくくなりますね。
ただ、希望している動物園の求人がちょうど卒業年次に出るとは限らないので、「来年募集してくれたら受験できたのに~!!」となってしまうこともあります。こればっかりはタイミングなので、どうしようもないんですけどね…。
最後の3つめは「学校に通うと、動物園や飼育員の仕事を知ることができる」こと。
これはどんな学校に通うかによっても変わるのですが、専門学校では「インターンシップ」や「業界研修」、大学では「学芸員実習」などで、実際に動物園で飼育員の仕事を体験することができます。
実際に体験してみると、「思ってたより大変だな…」と思うこともあれば、「こんな楽しさもあるんだ!」と新たな発見をすることもできるでしょう。
また、いくつかの動物園で研修をすると、動物園ごとの違いも感じることができるはずです。
というのも、実は動物園によって、「こんなお客さんに来てもらって、こんな体験をしてもらいたいな~」というコンセプトが違うんです。
それに加えて、実際に飼育員として働いている先輩や元飼育員の講師から話を聞くことで、「絶対にこの動物園で飼育員になりたい!」と思うようになることも。
実際、僕も学生時代に行ったインターンシップで、「ここの動物園で働きたい!」という気持ちが芽生え、運よくその動物園に就職することができました。
ただ、同級生の中には、研修に行った結果「動物園より牧場の方が向いているかも…」と方向転換をした人もいました。ですが、これはこれで、動物園に就職した後に「働いてみたらイメージと違った…」となってしまうより、ずっと良いことですよね。
どちらにしても、実際に仕事を体験することで、将来の夢がグッと現実的になるはずです!
さて、ここまで前編後編の二本立てで、「動物園の飼育員になる方法」を解説してきました。
まとめておくと、
- 特別な資格はいらないから高校卒で飼育員になるのも可能だけど、動物園によっては受験の対象外になってしまうこともある
- アルバイトから飼育員になることも可能だけど、採用試験を勝ち抜く必要がある
- 専門学校や大学に通うと、いろいろと有利になったり視野が広がったりする
といった感じです。
少しでも、あなたが夢について考える役に立てていれば、とても嬉しいです!
これからも、いろいろな情報をお知らせしていきますね!
それでは!
この記事を書いた人…元飼育員講師ふくちゃん
福岡ECOの卒業生。動物園とサファリパークで13年間、飼育員をしていました。好きな動物はフクロテナガザル。担当していた動物は、ゾウ、チンパンジー、キリン、トラなど。現在は福岡ECOで「陸上動物」「動物園・水族館研究」「アニマルヒストリー」の授業を担当しています。