ECO日記

小さなおサルさん!ショウガラゴはペットで飼える?後編

みなさんこんにちは!元飼育員の講師ふくちゃんです!

 

前回に引きつづき、

「〇〇はペットで飼える?」シリーズの「ショウガラゴ」編をおおくりします!

 

小さくて愛嬌のある、なんとも可愛らしい姿を見せてくれるおサルさん、ショウガラゴ。

今回は、そんな彼らを幸せに飼うために必要なことを紹介していきますよ~!

 

 

2.ショウガラゴはどんな風に暮らす動物?

 

ショウガラゴはもともと、アフリカのジャングルに生息している動物です。

鬱蒼と木々が生い茂ったジャングルの高い位置を動きまわりながら、

エサとなる昆虫や果物を探します。

 

 

ただ、おサルさんの仲間としては珍しい「夜行性」なので、

昼間は安全な場所で体を休めていることがほとんどです。

眼が大きいのは、暗闇でもわずかな月明りで周りを見るためなんですね!

そのため、ペットとして飼っても飼い主さんが寝ている夜の間に活動し、昼間は寝ている…

ということが多いでしょう。

 

また、耳が大きいことから分かるように、聴力がとてもいいことが知られています。

これは、昆虫が動いたほんの小さな物音を聞き逃さず、しっかりと捕まえる…

という狩りをするためです!

 

ショウガラゴの可愛らしい特徴である大きな眼と大きな耳は、どちらも

 

「真っ暗で静かな夜に動き回るための特徴」

 

だったんですね!

 

ペットとして飼うのであれば、毎日のサイクルを無理に人間に合わせようとせず、

ショウガラゴが快適に暮らせるように配慮しないといけませんね…!

 

それと、ショウガラゴは小さな群れを作り、

お互いにコミュニケーションを取りながら生活しています。

群れをつくる動物は「一頭で過ごす」こと自体が大きなストレスになってしまうので、

何頭か一緒に飼育したほうがよさそうですね。

 

 

3.ショウガラゴの食べ物や過ごしやすい温度

 

ショウガラゴなどの小型のおサルさんは、大型のおサルさんたちにくらべて

「昆虫をたくさん食べる」という特徴があります。

そこで、できるかぎりコオロギなどのエサ用昆虫をあたえつつ、

果物や野菜をバランスよく混ぜたエサを準備しないといけません。

 

小型のおサルさん用の「モンキーフード」という固形のエサも売られてはいますが、

それと水だけでは飼うのはオススメしません。

食物繊維などが不足してしまうことに加えて、

食べ物のバリエーションが少ないと食事の楽しみがなくなってしまい、

精神的に弱ってしまうことさえあるのです。

 

人間だって、「一日分の栄養が入った美味しくないビスケット」しか食べられなかったら、

楽しくありませんよね…!

 

それと、ショウガラゴは暖かく湿ったジャングルで暮らしている動物なので、

室温は26〜30℃、湿度は60%前後にしておかないといけません。

 

夏は室内を涼しくしすぎないように気を付けて、

冬は人間が「暑くてムシムシしすぎる!」と感じるくらいの環境にしてあげないといけないので、

リビングで人間と一緒に過ごすのはちょっと大変です。

 

できることなら、ショウガラゴ専用のお部屋をつくってあげたいところですね。

 

 

…と、ここまで「ショウガラゴはペットで飼える?」というテーマで、

いろいろな部分を紹介してきました!

 

このテーマについての僕なりの結論は…

 

「ショウガラゴはペットでも飼えるけど、幸せに飼うにはかなりの覚悟が必要だよ」

 

といった感じ!

 

犬や猫など、何千年も昔から人間とともに暮らしてきた動物は別ですが、

基本的に動物たちと人間は

 

「毎日の生活スタイルが全くちがう」

 

ものです。

特にショウガラゴは、夜行性なことや音に敏感なことから、

ペットで飼うなら室内の明るさや物音に細心の注意をはらわないといけません。

 

とっても可愛らしい姿を見せてくれるからこそ、健康に幸せに飼ってあげたいものですね。

 

 

 

それでは、今日はこのあたりで!

 

 

 

この記事を書いた人…元飼育員講師ふくちゃん

福岡ECOの卒業生。動物園とサファリパークで13年間、飼育員をしていました。好きな動物はフクロテナガザル。担当していた動物は、ゾウ、チンパンジー、キリン、トラなど。現在は福岡ECOで動物や動物園についての授業を担当しています。