ECO日記

動物園の人気者サーバルキャットはペットで飼える?動物愛護管理法をかんたんに解説!

みなさんこんにちは!元飼育員の講師ふくちゃんです!

 

今日のブログは、大人気の「○○はペットで飼える?」シリーズとして、動物園のSNSでも大人気のネコ科動物「サーバルキャット」に注目してみましょう!

動物園のSNSにサーバルキャットが登場すると、

 

「毛並みも模様も綺麗!!!」

「かわいいしかっこいい…」

「気品がある…飼ってみたいなぁ…」

 

などなど、その美しさや気品あふれるたたずまいに魅了されるコメントが寄せられています…!

 

では、そんな人気者であるサーバルキャットは、家でペットとして飼えるのでしょうか…?

 

 

…答えは「飼えない」です…!

 

いきなり結論になってしまいましたが、サーバルキャットを家でペットとして飼えないのには、はっきりとした理由があります。

 

それは、「法律で定められている」から。

 

具体的に言うと、日本国内で“新たに”サーバルキャットをペットとして飼育しようとすると、「動物愛護管理法」という法律に違反してしまいます。

 

(※法規制前に飼育されていたサーバルキャットには特別な飼育許可が出ているケースもあります。「ペットとして飼育している人=法律違反」ではないので注意してくださいね…!)

 

この「動物愛護管理法」、正式には「動物の愛護および管理に関する法律」といって、

 

「虐待などをせず動物を大切に飼いましょう」

「人と動物が共に生きていけるようにしましょう」

 

という2つの考え方が中心になっている法律です。

 

この「人と動物が共に生きていけるように~…」には、「危険な動物から人の命や財産を守らないといけない」という考え方も含まれていて、「人の命や財産を傷つけられるだけの力をもっている動物」を「特定動物」と呼んでいます。

 

この「特定動物」には、ライオン、トラ、オオカミ、クマ、中~大型の霊長類、ゾウ、キリン、大型の猛禽類、ワニガメや大型のニシキヘビなど、

 

「確かに、近くにいると怖いかもね…」

「本気を出したら、人の命も危ないかもね…」

 

と思える動物たちが指定されているのですが、サーバルキャットもその一員です…!

 

かわいらしくも見えるサーバルキャットですが、もとはれっきとした猛獣。

アフリカに生息しているネコ科の猛獣としては、ライオン、ヒョウ、チーターに次ぐ大きさで、狩りのための鋭い牙や爪をもっています。

 

決して「気の荒い大きめのネコ」ではなく、「殺傷能力がある肉食動物」なんですよね…。

 

 

さて、サーバルキャットをはじめとする特定動物は、動物愛護管理法によって「愛玩(ペット)目的での飼育」が禁止されています。

 

なので、サーバルキャットをペットとして新たに飼うと、法律違反になってしまうんです。

 

(※動物園での飼育されている特定動物たちは「愛玩目的」ではないので、環境省から許可がおりています。ただし、動物の脱走や人のケガがないように、飼育施設のつくりにはいくつものルールがあります)

 

 

これが、「サーバルキャットは家でペットとしては飼えない」理由です。

 

「この動物を飼ってみたい!」と思った時には、法律なども含めて自分でいろいろと調べてみましょう!

 

それでは、今日はこのあたりで!

 

 

この記事を書いた人…元飼育員講師ふくちゃん

福岡ECOの卒業生。動物園とサファリパークで13年間、飼育員をしていました。好きな動物はフクロテナガザル。担当していた動物は、ゾウ、チンパンジー、キリン、トラなど。現在は福岡ECOで動物や動物園についての授業を担当しています。