ECO日記

すべての飼い主さんへ届け!ペットを飼う前に絶対にすべきこと

みなさんこんにちは!元飼育員の講師ふくちゃんです!

突然ですが、みなさんはお家でペットを飼っていますか?

僕が子どものころは、ペットといえば「犬や猫や小鳥や亀やハムスター」だったのですが、今ではいろいろな種類の動物たちがペットになっていますね。

 

少し大きなペットショップに行けば、色鮮やかなインコから模様が美しいヘビ、場所によっては小型のサルやミーアキャットなどが並んでいて、まるで動物園のような光景が広がっていることも…!

 

SNSでも、ちょっと変わったペットたちとの暮らしを魅力的に紹介している飼い主さんがたくさんいらっしゃいますよね!

 

言ってしまえば、今は「誰でも簡単に変わった動物をペットに飼える時代」です!

 

もしかしたら、動物が好きなみなさんの中には「将来はあの動物を飼ってみたいな…」と楽しい想像している方もいるかもしれませんね!

 

…ただ、ここでひとつ、ペットを飼う前に考えておきたいことがあります。それは、

 

「変わった動物を飼うなら、その動物を診療できる動物病院が近くにあるかを調べよう!」

ということです。

意外に思う方もいるかもしれませんが、実はすべての動物病院が、どんな動物でも十分に診療できるわけではありません。

 

そもそも、獣医師を目指す人たちが通う大学の獣医学部で扱う動物は、

 

「犬猫を中心とした愛玩動物」

「マウスなどの実験動物」

「牛や鶏などの家畜動物」

 

が中心になっています。

世界で飼育されているすべての動物種について学ぶ…というのは現実的ではありませんし、「よく飼育されている動物=獣医師の診療機会が多い動物」に集中して学んだほうが効率的ですからね。

 

これは逆に言えば、

 

「変わったペットの診療は学んでいない獣医師が多い」

 

ということ。もちろん、

 

「小型のキツネの治療には同じネコ目(もく)の犬や猫の治療を応用できる」

「哺乳類であれば皮膚炎の治療方法は他の動物と変わらないから応用できる」

 

というようなことはあるようですが、例えば、爬虫類について専門的には学んでいない獣医師に

 

「日本に5頭しかいない珍しいトカゲのお腹の調子が悪いから診察してほしい。このトカゲは他の種類と違って独特な胃腸の構造だから、それを踏まえて治療してね」

 

とお願いするのは、さすがに無理がありますよね…。

 

(「獣医師法」という法律には「診療を業務とする獣医師は、診療を求められたときは、正当な理由がなければ、これを阻んではならない」という決まりがありますが、だからと言って「他の専門的な病院の受診を勧めてはいけない」とか「診療経験がない動物でも責任を以て完璧に診療しないといけない」というわけではありません)

 

なので、大切なペットのことを思えば、

 

「その動物のことを高いレベルで診療できる、なるべく専門的な経験がある獣医師がいる動物病院」

 

を探しておきたいですね。

 

最近では「小鳥から鷹やフクロウまで鳥なら何でも得意です」という動物病院や、「ヘビやカメやトカゲを専門的に診療しています」という動物病院も増えてきましたが、当然ながらどの街にでもあるわけではありません。

ということで、ちょっと変わったペットを飼いたいと思った場合は、

 

「近くにその動物をしっかり診療できる動物病院があるかどうか」

 

を最優先で調べておきましょう!

 

大切な家族でもあるペットを健康に飼うためにも、僕たちひとりひとりが気をつけたいですね!

それでは、今日はこのあたりで!

この記事を書いた人…元飼育員講師ふくちゃん

福岡ECOの卒業生。動物園とサファリパークで13年間、飼育員をしていました。好きな動物はフクロテナガザル。担当していた動物は、ゾウ、チンパンジー、キリン、トラなど。現在は福岡ECOで動物や動物園についての授業を担当しています。