ECO日記

プロに聞いてみた!②動物看護師編part5

みなさんこんにちは!元飼育員の講師ふくちゃんです!

 

「プロに聞いてみた!」シリーズの第二弾、「動物看護師」の渡邊先生へのインタビューもクライマックスです!

 

それではどうぞ!

 

・・・

 

―渡邊先生自身の経験をもとにした言葉、学生たちにはとても参考になりそうですね。渡邊先生は、福岡ECOでどんな授業を担当しているんですか?

 

渡邊先生「『動物内科看護学』と『動物内科看護学実習』という授業を担当しています。動物看護師専攻を対象とした授業ですね」

 

―どんなことを学ぶ授業ですか?

 

渡邊先生「動物看護師として働くうえで必要な知識のうち、基礎的なところを教えています。動物の体温・呼吸数・心拍数などの『バイタル』をチェックする方法や、その見方などですね。それと『保定』についても教えています」

 

―なるほど。授業をするうえで、特に意識していることはありますか?

渡邊先生「動物看護師は、動物の異常に気付く能力が求められます。でも、『いつも通りの状態』を知らないと、異常には気付けませんよね。なので、学生には『正常を知らないと異常に気付けないよ』と伝えています」

 

―その通りですね。

 

渡邊先生「それと、僕は基本的に『細かな専門知識は必要になった時に自分で学び直せばいい』と思っています。なので、難しい話をたくさん…というよりは、何かあった時に『これはあの分野を学び直せばいいな』と分かる程度に、基礎知識を広く教えている…という感じですかね」

 

―就職したあとに、自分で学び直せるように…ということですね。

 

渡邊先生「はい。僕もそうだったのでよく分かるんですが、学生たちは動物医療の現場に出てはじめて、『命を扱う』という本当の意味を理解すると思うんです。そうすると、『動物のためにもっと勉強しなきゃいけない!』と実感する。その時に『この分野の知識が足りないんだ』と分かるようにしてあげたいな…と」

 

 

―基礎知識を網羅できていないと、どんな知識が足りないのかが分からないですからね。それでは最後に、動物看護師という仕事のやりがいを教えてください。

 

渡邊先生「やっぱり、獣医師と共に、一生懸命治療を進めて、飼い主さんから『ありがとう』と言ってもらえた時には、嬉しくなりますね。それと、『噛みつくから他の病院では診察を断られた』というワンちゃんが来院した時なんかは腕の見せ所です。スムーズにしっかり保定して診察・治療ができた時には、飼い主さんからものすごく感謝してもらえますし、ワンちゃんの治療ができて本当によかったな~と思います」

 

―貴重なお話をありがとうございました!

 

・・・

 

と、全5回にわたってお送りした渡邊先生のインタビューも、今回で完結です。

 

渡邊先生は、「動物看護師という職業の認知度をもっと高めたい」とも仰っていました。他の動物病院の動物看護師さん同士でネットワークを作り、看護技術を高め合う活動もされてるんだとか…!

 

ちなみに、「動物看護師」は動物業界では珍しく、国家資格(正式名称:愛玩動物看護師)が必要なお仕事です。

 

渡邊先生のインタビューを見て「動物看護師」のお仕事が気になった方がいれば、ぜひいろいろと調べてみてくださいね!

 

それでは!

 

この記事を書いた人…元飼育員講師ふくちゃん

福岡ECOの卒業生。動物園とサファリパークで13年間、飼育員をしていました。好きな動物はフクロテナガザル。担当していた動物は、ゾウ、チンパンジー、キリン、トラなど。現在は福岡ECOで動物や動物園についての授業のほか、文章表現についてのゼミを担当しています。