ECO日記

動物の専門学校はヤバい…って本当?part②

みなさんこんにちは!元飼育員のふくちゃんです!

 

前回に引き続き、「動物の専門学校はヤバい…って本当?」というテーマでブログを書いていきます!

 

おさらいですが、この「動物専門学校はヤバい」というのは、「動物 専門学校」でWeb検索した時に、関連ワードとして表示されるものです。

 

その理由としては

①就職先が限られる

②資格が取れない

③動物に特化している割に弱い

 

…の3つが挙げられていることが多いのですが、①については前回のブログで

 

「そもそも専門学校は就職先を絞ってから入学するところだから、ある意味それは当然!」

「例として挙げられている就職先の種類が少ないのは残念!(本当はもっとある)」

「専門学校も最近では幅広い分野を学べる=セカンドキャリアも見据えるようになってるよ!」

 

ということを書きました。

 

今回は②と③について書いていきますよ~!

 

②資格が取れない は本当?

 

これは「半分本当だけど、表現がちょっといじわるかな…」という印象ですね…!

 

そもそも、動物園や水族館、サファリパークの飼育員をはじめ、牧場のスタッフやトリマー、動物のトレーナーなど、動物関係の仕事の多くに「コレがないとなれないよ!」という資格や免許はないんです。

 

(一般的な動物関係の仕事で、特別な資格が必須なのは「獣医師」や「動物看護師」くらいのものでしょうか。)

 

そう考えると、「資格が取れない」というよりも、「そもそも目指す職業によっては取る必要性が薄い」と表現するほうが正しいような気がします。

 

「その仕事に就くために必要なことを学ぶ」のが専門学校なので、「必要な知識や技術に特化している」結果とも言えますね。

 

もちろん、免許や資格は全く無駄になるものではありませんし、実は専門学校でもいくつもの資格を取得できるので、興味がある人はホームページを見たり、問い合わせたりしてみててもいいかもしれませんね!

 

③動物に特化している割に弱い は本当?

 

これについては「いや、そんなことないよ~!」と声を大にして言いたいですね…!

 

そもそも、何が「弱い」のか…というと、「動物専門学校はヤバい」と紹介しているページには

 

「専門学校で学べることは実務で学べる」

「大学に通いながら動物園でバイトした方がいい」

 

というようなことが書いてあります。

 

正直なところ、これも「動物園や動物業界に詳しくない方が書いたのかな…」という印象ですね。

 

他のブログでも書いたのですが、そもそも「飼育員のバイト」は募集自体がとても少ないですし、その内容も大学に通いながらできるものではありません。

なぜなら、「授業がない時間を希望してシフトに入れる」ものではなく、「週休2日、8時半~17時半の勤務」というように、フルタイムでの雇用が基本だからです。

 

また、仕事内容は「動物飼育の補助業務」と書かれていることが多いですが、厳しく言うとその中身は「素人さんでもできる仕事」です。

 

実際に動物に関わるケースは少なく、基本的には決められたエサの準備や掃除がメイン。動物についての知識や技術がなくてもできる仕事をお願いすることがほとんどなので、「飼育員の仕事について学べる実務」とは言えないでしょう。

 

(動物園がアルバイトを募集するのは、「GWなど忙しい時期」や「産休育休中の職員が戻ってくるまで」というような期間限定という場合がほとんどなこともあって、中心的な仕事はお願いしない…という事情があります。)

 

つまり、

 

「そもそもバイトの募集が少ないし、学校に通いながらじゃできないし、飼育員の仕事を学べるわけでもないよ!」

 

というのが実情です…!

 

なんなら、「学校に通いながら飼育員の仕事を体験して学びたい!」のであれば、専門学校は「とても強い」とさえ言えます。

 

それは、全国の動物園や水族館など、数多くの動物飼育施設で研修(インターンシップ)をすることができるから。

 

「将来は飼育員になりたくて専門学校で勉強しています!」という学生さんに対してなら、飼育員も「基本的な知識はあるんだな」という印象を持ちますし、「それならちょっと深い部分まで教えようかな」となることも少なくありません。

 

いずれにせよ、「特化している割に弱い」というのは、ちょっとちがうよ!というお話でした!

 

 

 

さて、ここまで「動物専門学校はヤバい」とされる3つの理由を、1つずつ掘り下げて、僕の考えや最近の実情を紹介してきました。

 

もちろん、「動物の専門学校は何に関しても完璧だよ!」というわけではありません。

なりたい職業や学びたい内容によっては、大学に通った方がいい場合もありますし、高校卒業後に独学で頑張る…という手がないわけでもありません。

 

ただ、自分の目で見て、調べて、感じたことで判断するのが大切なんだと思います。

 

誰かが「ヤバい」と言っていると心配になってしまいますが、そこは自分で「どこがどうヤバいのかな?それは本当なのかな?」と考えられるようになるといいですね!

 

ぜひ、後悔のない選択をしてくださいね~!

 

 

それでは、今回はこのあたりで!

 

 

この記事を書いた人…元飼育員講師ふくちゃん

福岡ECOの卒業生。動物園とサファリパークで13年間、飼育員をしていました。好きな動物はフクロテナガザル。担当していた動物は、ゾウ、チンパンジー、キリン、トラなど。現在は福岡ECOで「陸上動物」「動物園・水族館研究」「アニマルヒストリー」の授業を担当しています。